インドネシアを切り裂く民族・宗教政治
―― 脅かされる多元主義と社会的調和
Indonesia's Illiberal Turn After the Ahok Case
2017年7月号掲載論文
多元主義や民主主義をめぐる世界の模範と言われたインドネシアで、いまやこの国の寛容さ、多元主義、民主主義のすべてが試練にさらされている。現職の知事としてジャカルタ州知事選に出馬したキリスト教徒の中国系インドネシア人、バスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)は、(イスラム教を冒涜したと)イスラム主義強硬派に攻撃され、選挙に敗れただけでなく、5月初旬に宗教冒涜罪で起訴され、投獄される事態となった。2016年9月、アホックが遊説の中で、良心に従って投票をするようにと促し、コーランの一節を引いて、「非イスラム教徒の人物がイスラム教徒を統治することはできないと示唆するような人物に惑わされてはなからない」と発言したことが事の発端だった。2019年の大統領選に向けて、イスラム主義者たちは今回よりもさらに大規模な反動を巻き起こそうと、反中感情、反共産主義感情、そして格差に対する不満のすべてを利用しようと試みるだろう。
- 選挙と宗教カード
- アホックの凋落
- 厄介な先例
- 今後の展開
- 宗教と社会
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